アルト【スズキ】|加速性能、ロードノイズ、ブレーキ性能などの走行性能と実燃費をレポート

私は週に一回ほど、仕事でスズキのアルトに乗る機会がある。
主に埼玉県の行田市というところ(熊谷市の隣といえば大体の位置はわかるかな?)の一般道を30分位運転している。
走行距離は約14km位。
その時の走行フィーリングなどを中心に、加速性能、ロードノイズ、ブレーキ性能などの走行性能と、実燃費について、気になったところなどを書いてみようと思う。
スズキアルトの紹介
まずは車の紹介から。写真の車になります。
年式 2014年
形式 DBA-HA36S
排気量 658cc
シフト CVT
燃費 カタログ表記 37.0km/ℓ (JC08モード)
全長×全幅×全高 3395×1475×1475mm
車両重量 650 kg
最高出力 52ps(38kW)/6500rpm
最大トルク 6.4kg・m(63N・m)/4000rpm
この車の一番の特徴としては、やはり低燃費なところでしょう。
JC08モードで37.0km/ℓは、とてもすごい数字だと思う。
それでこの低燃費を実現させてシステムとしては、「エネチャージ」と「アイドリングストップ」がある。
「エネチャージ」とは、減速時のエネルギーで発電・充電し、ムダな燃料消費を抑えるシステムのことだ。
減速時発生するエネルギーを使用して発電機で発電して、発電した電力を電装品などの電力として使用することで、発電によるガソリン消費を最小限に抑えるというもの。
発電にかかるエンジンの負担が減ることで、軽快な走りにもつながる。
「アイドリングストップ」は、停止時にエンジンのアイドリングをストップさせることで、余計なガソリン消費を減らすというもの。
このアルトは停止前の時速13km以下になった時点でエンジンが停止する。
なので、このアルトの場合は巡航していて、アクセルを離すとエネチャージによる回生充電が始まり、時速13km以下になるとエンジンが止まり、そのまま停止している間もエンジンが停止している。
走り出した後、加速時に回生充電によって溜まった電気を電装品に使い、エンジンの負担を減らすことで、軽快な加速感と低燃費を手に入れている。
このように低燃費に関しては効率的なシステムを持っており、尚且つ軽自動車なため排気量が小さいこともあって、燃費は37km/ℓという驚異的な燃費数字を叩き出してる。
スズキアルトの加速性能、ロードノイズ、ブレーキ性能などの走行性能を紹介
では、肝心な走行性能について。
発進時
まず、乗り出して最初に感じるのは、発進時の軽さだ。
とにかく、時速0~20km位のホントに発進直後の僅かな時間に軽快感を感じる。
この点はハッキリと感じ取ることができる。
私は前車にスカイラインセダンV36、2.5リッターにのっていたが、この車よりは明らかに出足の軽さがあり、レスポンスもいい。ただし、アクセルをポンっと軽く踏んだ場合の話。
これにはエネチャージの効果もあるが、やはり車重の軽さが効いているのではと感じる。
車両重量650kgは半端ない軽さであることは間違いない。
例えば、同じ軽自動車の日産デイズ(2018年式)でカラログをみてみると車両重量890kgとなっている。
同じ軽自動車のノンターボで240kgの違いはやはり大きい。
スカイラインにいたっては、1500kgオーバーなのでなおさらだ。
加速~巡航時
加速に関しては時速40km位まではレスポンスよくスムーズに加速する。
が・・・時速60km以上の加速は、アクセルを軽く踏んでいる程度では速度はのってこない。
アクセルを強めに踏み増すとエンジンの回転が相応に上がり、加速を開始する。
回転音は勇ましいが、速度上昇は緩やかだ。
ただし、時速60kmの巡行時は、わずかなアクセル開度で速度維持ができる。
エンジンは頑張っている感じもなく、なかなか静かだ。
ただ、軽量化ボディーの為なのか、ロードノイズは比較的するほうだ。
ロードノイズによってエンジン音が打ち消されて、エンジン音が静かに感じたのかもしれない。
またノイズで特に気になっているのが、雨の時のタイヤの水しぶきの音だ。
後輪のタイヤハウス近辺か後方ドアの下あたりから、「シャーー」というタイヤから跳ねた水の音がはっきりと聞こえてくる。
一瞬、後ろの窓が開いているのではないか?と確認をしたほどだ。
やはりこれらのノイズに関しては、ドライバーに軽自動車に乗っているということを再認識させてしまうものになってしまっている。
巡航~停止
巡航時から停止時で気になったところは、ブレーキフィーリングについてだ。
まず巡航状態から減速するためにブレーキングするが、この時のブレーキの効き初めの制動がとても弱く感じて、思っていたよりも速度が落ちないことがある。
これはおそらく軽くブレーキを踏むと回生ブレーキがかかるようになっているためだと思われるが、メーカーには違和感が残らないように調整を煮詰めてもらいたいところだ。
ただ、これはブレーキをごく軽く踏んだ初めのときだけの話であり、少し踏み増せばブレーキパッドの通常のブレーキになり違和感はなくなる。
もう一つある。
減速時にブレーキを踏むと、ブレーキパッドによる減速と同時に回生ブレーキによるエネルギーの回収が行われているが、この回生ブレーキは停止直前の時速10km位のごく低速の速度では、回生を行うのを停止する。
すると、回生による減速エネルギーが急に無くなるために、車が前に押し出されるような感覚になってしまう。
ブレーキのペダルは一定で踏んでいても、減速度が変化してしまう訳で、停止時には再調整が必要になりコントロールしにくい。
スムーズに停止しにくく、ギクシャクしてしまうことがよくある。
この点もメーカーにはしっかり煮詰めてもらいたいところだ。
スズキアルトの実燃費公開
主に埼玉県行田市の住宅街をメインに、走行距離14km、走行時間30分で以下のような実燃費になることが多い。車載メーターにて計測。
エアコンONで 燃費20~22km/ℓ 1kmあたり 6.4~7.0円 (140円/ℓで計算)
エアコンOFFで 燃費22~25km/ℓ 1kmあたり 5.6~6.4円 (140円/ℓで計算)
だいたい毎回、20km以上は出ている。10km台になったことはほとんどない。
この実燃費の値は非常に評価できると思う。
まとめ
今回アルトについて書いてきたが、最後にこの車の評価をしてみたいと思う。
○ 必要十分な加速感と低燃費の両立
× ブレーキのギクシャク感
やはり、日常速度域における加速感は軽量化の効果もあり、軽自動車としては非常に高いレベルにあると思う。
街中で使う分には、加速感に不満を抱くことはなさそうだ。
残念な点としては、ブレーキのフィーリング。コントロールしにくく、停止時にギクシャクしてしまうところは改良の余地ありだと思う。