BMW X2|乗り心地、ハンドリング、走行ノイズなどの走行フィールとインテリア質感のインプレッション

先日BMWのX2に試乗する機会があった。
実際に乗ってみた感想として、乗り心地、ハンドリング、走行ノイズなどの走行フィールとインテリアの質感についてインプレッションをしていきます。
BMW X2のスペックを簡単に紹介
まずは車両の紹介から。
今回試乗できた車はX2の xDrive 18d MスポーツXというグレードの車。
このグレードは
2L 直列4気筒DOHCディーゼル・エンジン搭載
最高出力110kW(150馬力)/4,000rpmを発生するモデルだ。
車両データは以下のようになっている。
パワートレイン 直列4気筒DOHCターボ(ディーゼル)1995㏄、
ミッション 8AT
駆動方式 フルタイム4WD
最高出力 150ps(110kW)/4000rpm
最大トルク 35.7kg・m(350N・m)/1750~2500rpm
車両重量 1680kg
JC08モード燃費 18.3Km/ℓ
ボディーサイズ 全長×全幅×全高 4375×1825×1535mm
車両価格 534万円
エクステリアの紹介とインテリア質感のインプレッション
エクスエリアについて
ボディーサイズ
全長×全幅×全高 4375×1825×1535mm
車両重量 1680kg
車体を初めて見た時には、SUVというよりもハッチバックをやや車高を上げて大径タイヤを履かせたような印象をもった。
SUV的な大きさとか、威厳のある風格のような雰囲気はあまりなく、どちらかというとオンロードよりなスポーティーな印象の方が強い。
車高を見てみても1535mmなので、それほど高いわけではない。
普通のセダンだと大体1450mm前後になるので、セダンよりも8センチだけ車高が高いことになる。
SUV的な高い見晴らしによる前方視界の良さに関してはあまり期待できないが、乗り込む際には8センチの車高のアップはかなり楽になるはずである。
今までかがみ込んで乗り込んでいたのが、ちょっと頭を下げるだけで乗り込めるようになるはずだ。
私は身長が165cmで高くないので、私位の身長だと乗り込む際にはちょうど良い高さになる。まったくストレスなく乗り降りすることができた。
これからは高齢化が今以上に進んでくる。年齢を重ねるにつれて体は硬くなり筋力も弱くなってくると、車高の低い車の乗り降りは結構ストレスになってくる。特に雨の日などは尚更だ。
こういった乗り降りのしやすさに繋がる位の適度な車高の高さは、これからは重要視されてくるのではないかと思う。
また適度な車高なので、SUVによくあるようなずんぐりむっくりな印象は少なく、スポーティーで流麗な雰囲気で、若々しいデザインに仕上がっている。
インテリア質感のインプレッション
インテリアデザインはBMW特有のデザインを踏襲している。
インテリアの質感は相変わらず高いものの、先進的かと言われれば、そうでもない部類に入ってくるだろう。
しかしながら、座り込んだ感覚としては、ダッシュボード付近のデザインは直線基調になっていて、スッキリとした印象に仕上がっている。
室内の広さはそれぼどでもなく、ほとんどセダンと同じ広さと考えてもらっていいだろう。
8cmの車高の高さは最低地上高を少し上げているのと、大径タイヤ分でほとんど使われてしまっている状態だ。
もうちょっと車高の高さと、室内の広さが欲しければ、X1というグレードが選択肢に入ってくる。
X2は「実用性よりもスタイリング重視」という考え方の人にはピッタリとくるだろう。
SUVの広々とした運転席が好きな方は注意が必要で、実際に試乗してチェックした方がよさそうだ。
インテリアでひとつ気になったのは、運転席ドアのウインドー開閉ボタンのところだ。
このドアのウインドーボタンのところに、握れるような加工がしてあるのだが、これがウインドーボタンを運転しながら操作しようとした場合、この部分に手が当たってしまって操作しにくかったのが気になった。
慣れてしまえば気にならなくなるのかもしれないが、この車の運転が初めてだったので、やや気になってしまった。
乗り心地、ハンドリング、走行ノイズなどのインプレッション
まずエンジンをかけてみると、ディーゼルエンジン特有のカラカラ音に関しては、室内からでは聞こえることは聞こえるがごく少量といったところ。
車に関心のあまりない人だったら、分からないかもしれない。それくらいの違いだ。
握っているハンドルに意識を向けてみると、ハンドルからはエンジンの振動を感じる。
ハイブリッドのモーター走行に慣れている方は、このハンドルの振動はやや気になってくるところかもしれない。
試乗を開始して、しばらくゼロ発進を何回か繰り返しているうちに、少し気になる部分が出てきた。
ゼロ発進した直後はトルクがあり良好だが、そのあとの加速時で特に1500回転位のところにエンジンのこもり音?というかディーゼルのガラガラ系の雑味のある音質のでる領域があることに気がついた。
1500回転よりも、もう少し回転数を上げると、このこもり音は消失する。
しかしこの1500回転位の低回転領域は日本の市街地での走行ではとても多く使用する領域であるので、実際に使用する場面では気になってくるかもしれない。
走行ノイズに関しては、エンジン音とタイヤから発生するロードノイズの2種類あるが、このX2の場合エンジン音が1500回転付近でやや主張がある部類に入ると思う。
乗り心地に関しては、ざっくりというと、足回りは硬めでガシッとしている。
市街地のように、でこぼこが多い路面を低速で走る時などは、ゴツゴツした感じはそこそこある。
突き上げがあるというほどではないが、路面からの振動が「ドシッ」「ドン」といった硬質感のある音が多く、私自身は少し気になってしまった。
速度が高い領域になってくれば、この硬さが安定感にもつながってくる。
試乗では幹線道路で時速70キロ位までしか試せなかったが、これくらいの速度になってくると「バシッ」とした安定感を感じることができた。
路面のうねりに対してもサスが柔軟に動いているような感覚があった。
住んでいる地域にもよると思うが、日本での普段使いだともっと低速での市街地走行が多いので、いい面が生かせない可能性が大きい。
スムーズでしなやかな乗り心地が好みな方は一度試乗して確認しておいた方がいいかもしれない。
ハンドリングに関しては、11時ー13時の角度に細かく切ってみると、車の動きはハンドルの動きにしっかりとついてくる。
ステアリングのセンター付近に操舵感の曖昧さはなく、きびきびとしたハンドリングが可能だ。
この点はSUVの車種になってもBMWの走りのアイデンティティーはシッカリと根付いていることが確認できた。
停止時にわざと強めにブレーキを踏んで、いわゆるカックンブレーキを行ってみた。
停止時にフロントが沈み込むが、その沈み込みが戻った時にいっさい振動はかく、一回できれいにおさまった。
静寂性に関しては、ディーゼル車種だからと言って特に音や振動が大きいという訳ではない。
1500回転前後のこもり音以外は静寂性は良好だが、走行ノイズ(ロードノイズ)が少々気になった。
全体的にタイヤが地面を転がっている「ゴーッ」というロードノイズが終始聞こえていた。
まとめ
最後にBMWのX2について良かった点、改善点をまとめてみる。
良かった点
・スポーティーで流麗なボディーデザイン(好みにもよるが)
・乗り込みやすいちょうどいい車高
・ディーゼルエンジンの静寂性
・きびきびしたハンドリング
・高速域での安定性
改善点
・運転席ウインドーのボタンの形状が押しにくい
・走行ノイズとして1500回転前後のエンジンのこもり音、雑味のある音質がある
・低速域でのゴツゴツ感のある乗り心地の硬さ
・タイヤからくる硬質感のあるロードノイズ
良かった点、改善点は以上になる。
BMW X2の xDrive 18d MスポーツX、は一言でいうとグレード名にもあるように、スポーツ性能を重視した車、つまり走りを重視した車という印象を強く感じた。
快適性とか高級感とかいう方向性ではなく、ダイレクトな走りの感覚をしっかりと楽しめるスポーティーな車に仕上げていることがはっきりと確認できた。
逆に言えば、BMWという名前からBMW=高級車=快適な乗り心地という考えで購入するとちょっと違うと感じてしまうかもしれないので、試乗は絶対にした方がいいと思う。
今回の試乗で、メーカーの方向性である「駆け抜ける喜び」をSUVでもしっかりと表現しているところに関心させられた。